20068.14
おはよう。さっそく今日なくなったものを報告するよ。
つづく
20068.13
ときどきピタピタと頬に感じる雨。空の指先が僕に触れる。
つづく
20068.7
市内全域に及ぶ大停電となった。発電所からの主要な連絡拠点が落雷でダウンした。大きな落雷だった。
つづく
20067.29
何度か目が覚めたはずだ。起きようと思えば起きられただろう。一日の睡眠時間としては十分すぎるほど眠ったはずだが、それでも起きられなかったのは、昨夜の深酒のせいかもしれない。そうして何度目かに目が覚めたとき、はじめは耳鳴りのように、しかし次第にはっきりと、遠くに聞こえる祭り囃子か、サンタクロースのそりのような、鈴の音が聞こえてきたのだ。
つづく
20067.28
出かけるまで少し時間があったので、爪を切っていたんだが、途中で切れなくなった。涙がポトポト止まらなくなって、指がそれ以上動かなくなった。
つづく
20067.23
タイトルのあと、ブラックの間に雨音がフェードイン。
つづく
20067.22
私は考えている。この卵を割ったら何が出てくるのか。
つづく
20067.18
エミールは頭を抱えた。こんな雨じゃ手紙を出しに行けない。夜ももう長くはない。
つづく
20067.18
頭痛薬を飲んだのが最後だった。悪魔ってのがいるもんだ。いきなりあらわれて、なにもわからないまま、魂を引っぱっていく。まあ、運が悪かったとしか言えない。
つづく
20067.16
砂浜にたどり着いたのは、私の記憶の方が、少しだけ正しかったということだ。松林に垂れかかる夕暮れ時が、道行く人をみな串刺しにしている。あんなに、灰色の蒸気にむせかえる埠頭、斜めに焼き付いた朱色の光線、跳ね返る血のプリズム。
つづく