透視

歯磨きをしながら、ぼんやり天井を眺めていたら、エアコンの上に何か載っているのを見つけた。近づいて見ようとベッドにのぼった瞬間、それはドロリと足もとに落ちた。全体が水色で、うすい虹色が透けて見えて、蛍光灯をきらきらと反射して、すごくきれいに見えたけれど、それはまぎれもなくスライムだった。

つづく

チャーリーとハリボテ工場

 なんか最近、あんまり出歩いてないというか、運動が極端に足りないのか、ちょっと外に出ると、歩くときに膝がやたらとポキポキ鳴って、どっかいっこ小さい骨がなくなってるんじゃないの、というくらい我が足ながら頼りなくて、人の少ないとこで立ち止まって、二、三回屈伸してみたりするけど、一向に改善する気配もなくて、ついに今日の昼過ぎ頃、横断歩道で信号が変わるのを待ってるときに、キュッキュッと膝を動かしてみたらとうとうクキッと言って立たなくなった。

つづく

フライド、アイド、リトルミュージック

夢の中で私はカナディアン・ロッキーに登っていた。

つづく

走馬燈とロープ

 ちょっとした用事があって、宵の電車に揺られて30分くらいたった頃だったと思うけど、前の晩へんな時間に寝て、半分徹夜みたいな感じだったから、なんかしばらくユラユラしてたらいつのまにか眠ってしまった。

つづく

解剖学 その2

その日本人は、

まんじりとしてようやく気がついたのだが、

つづく

解剖学 その1

どうも最近は、

「インディ・ジョーンズ」という言葉からめっきり遠ざかっていた気がする。

つづく

バウムクーヘン・ラブ

とがったいらくさののっぱらを、やわらかいあしのうらであるいている、

つづく

それからというもの

それからというものが、僕のマウスパッドにこびりついてるんだが、マウスパッドなんて洗濯できないだろうから、ずっとそのままにしてある。

つづく

グラスにいっぱいのさきイカ

なんか風呂場の排水溝が詰まると思ったら、

網とかキャップとかみっつくらい部品をはずしていったとこに、

黒いもんがいっぱい詰まってた。

つづく

まだ雨

白っぽい窓の外は雨降り。

いつから降ってるのか忘れたけど、

もうずっと降ってる。

つづく