アブラクサスの問題

まったくもって悲しいことだが、その日の蝸牛レースは大波乱の内に終わった。

つづく

地獄へようこそ

わずかに残された塩が、なめくじに対して使われた。

つづく

サマータイム・アンド・サマータイム その2

十三歳のころ、

藻作は砂浜の見えるアパートに住んでいた。

つづく

天才の条件

いつからか、その部屋には蟹がある。

つづく

アスパラガス病

電車で斜め向かいに座ったおばさん、

パン屋の袋を大事そうに抱えて、

こくりこくり。

つづく

宇宙はハートウォーミング

 太陽が南中しました。砂丘は影もなく続いています。

つづく

鼠と過ごす一年間

その兎はウトウトして、居眠りしながら考えた。

つづく

マグネチック・トゥルース

大きなテンガロンハットの男が、吟遊のつれづれに、砂漠の街角で、くたびれた哀愁にまかせて、めいっぱい張ったギターの弦を、ぴーんと爪弾いたら、

つづく

3・オブ・4

私がそういうわけだから、

モノレールから吐き出された群衆は、

上気した斜面に屹立する。

つづく