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20063.23
まったくもって悲しいことだが、その日の蝸牛レースは大波乱の内に終わった。
つづく
20063.20
わずかに残された塩が、なめくじに対して使われた。
20063.19
十三歳のころ、
藻作は砂浜の見えるアパートに住んでいた。
20063.17
いつからか、その部屋には蟹がある。
20063.16
電車で斜め向かいに座ったおばさん、
パン屋の袋を大事そうに抱えて、
こくりこくり。
20063.15
太陽が南中しました。砂丘は影もなく続いています。
20063.14
その兎はウトウトして、居眠りしながら考えた。
その亀は、甲羅の中で考えた。
20063.13
大きなテンガロンハットの男が、吟遊のつれづれに、砂漠の街角で、くたびれた哀愁にまかせて、めいっぱい張ったギターの弦を、ぴーんと爪弾いたら、
20063.12
私がそういうわけだから、
モノレールから吐き出された群衆は、
上気した斜面に屹立する。