蜘蛛女、蜘蛛男

「でも神父様、私はどうしても逃れられないのです。

つづく

サマータイム・アンド・サマータイム その1

 家に帰ったら、電気がつかない。グローランプ? 豆球? なんだかよくしらないけど、うんともすんとも光らない。こういうときのために、おれは用意してたんだ。

つづく

ジミー・メイクス・ラブ

派手な車が通りかかった。通りにかかるのは霧、ここはロンドンで高速は渋滞続き。

つづく

故郷でオールライト

だめだこりゃ、くちびるが、枯れ葉みたいになっちまってる。どうりでね、電話にも出ないと思った。

つづく

あの素晴らしい愛をもう二度

そうそう、そうだ、

腕をクロスさせて、

それから戻す、

つづく

トイ・チューブの思い出

ジョニーが帰ってきた。ジョニーは遠いどこかに忘れてきてしまったたくさんのことを、ひとつひとつ思い出そうとしながら、アラスカの青すぎる空の下を歩いていた。渓谷は彼を待っていた。

つづく

優しい顔

さばく! ここはさばく。あついたいようと、あついかぜと、じめんと、つめたいちかすいがあるさばくちたい。

つづく

透視

歯磨きをしながら、ぼんやり天井を眺めていたら、エアコンの上に何か載っているのを見つけた。近づいて見ようとベッドにのぼった瞬間、それはドロリと足もとに落ちた。全体が水色で、うすい虹色が透けて見えて、蛍光灯をきらきらと反射して、すごくきれいに見えたけれど、それはまぎれもなくスライムだった。

つづく

チャーリーとハリボテ工場

 なんか最近、あんまり出歩いてないというか、運動が極端に足りないのか、ちょっと外に出ると、歩くときに膝がやたらとポキポキ鳴って、どっかいっこ小さい骨がなくなってるんじゃないの、というくらい我が足ながら頼りなくて、人の少ないとこで立ち止まって、二、三回屈伸してみたりするけど、一向に改善する気配もなくて、ついに今日の昼過ぎ頃、横断歩道で信号が変わるのを待ってるときに、キュッキュッと膝を動かしてみたらとうとうクキッと言って立たなくなった。

つづく