墓荒らし その2

彼は誰時だった。昨晩催された薪能の焼け跡が、朝露に蒸れていた。

つづく

フィール・ソー・シンタクティック

あの満天の星々が、私のニューロン以外の何であろうか。

つづく

キングス・アンド・ア・クイーン

部屋でパソコンをいじっていると、キーボードに映ってモニタを滑って、小さな影が通り過ぎた。

つづく

相対性幸福論

オタマジャクシがカエルになることを変態というが、そのオタマジャクシはカエルへの変態を頭の中だけで済ませてしまった。

つづく

墓荒らし その1

柔肌が覗いた。赤い悪魔は赤い舌を、改悛の情は城下に伏し、般若湯は桜に注ぐ。

つづく

レット・イット・カム

酒を飲んで帰ったら、郵便受けにカツオ節が入っていた。

つづく

神のまにまに

 驚いた。最初見たときは、妙な雨だな、と思った。けれどすぐにわかった。わかった上で、何なのかわからないのだが、今朝起きて、やけに寒かったのは、このせいだったのか、とふと思った。

つづく

アブラクサスの問題

まったくもって悲しいことだが、その日の蝸牛レースは大波乱の内に終わった。

つづく

地獄へようこそ

わずかに残された塩が、なめくじに対して使われた。

つづく