樹液 その4

「前にも言ったじゃない。あたしは、自分を能ある鷹だと思って、爪を隠していたいのよ」

つづく

樹液 その3

「おれだって伊達にきみより三年間無駄に生きてきたよ」

つづく

樹液 その2

「もういいよ! 誰も見てないとこで、誰の手も届かないところで、綱渡りをしてやる!」

つづく

樹液 その1

「あなたは偉いわ。ここまではっきりと、正確に自己分析ができるんだもの」

つづく

優しい機械

遠くからでもわかる。あのイソギンチャクの足もと辺りに、心臓病のオーシャンがひろがっている。

つづく

希望的観測基地

わかってるだろう。

なぜ山に登るのかって?

そこに山があるからさ。

つづく

ゾンビズ・アー・オールライト

乾杯をしてもいいかな? 乾杯を、しようじゃないか。こんな幸せが、まさか私に降るとは!

つづく

束の間の三十秒

テレビのリモコンが効かない。換えの電池があったはずだ。

つづく

タワーズ・オン・ザ・フェイス

 そこには水道の蛇口がある。長い間その蛇口に触れる者はなく、最後に開かれたのがいつだったか、知る人も皆消えてしまった。

つづく

準備運動

「そう言ってしまったら、親蜘蛛の腹の子蜘蛛がポツリ『なかなかどうして腹ん中ってのはあたたかいもんだ』って言うようなもんだぜ」

つづく