フロム・ミー・トゥ・ユア・サピネス

熱い。うっとうしい袖を引きちぎってやりたい。鍵はどこだ。バッグの奥底か。仕方ない。財布のスペアを使おう。ただいま、と、わっ、なんだこの黄色いガスは。部屋一杯に充満してる。うっぷ。

つづく

樹液 その愛

「ほらまた。何度言えばわかるんだ? 敵を欺くにはまず味方から、味方を欺くには、まず自分を」

つづく

樹液 その4

「前にも言ったじゃない。あたしは、自分を能ある鷹だと思って、爪を隠していたいのよ」

つづく

樹液 その3

「おれだって伊達にきみより三年間無駄に生きてきたよ」

つづく

樹液 その2

「もういいよ! 誰も見てないとこで、誰の手も届かないところで、綱渡りをしてやる!」

つづく

樹液 その1

「あなたは偉いわ。ここまではっきりと、正確に自己分析ができるんだもの」

つづく

優しい機械

遠くからでもわかる。あのイソギンチャクの足もと辺りに、心臓病のオーシャンがひろがっている。

つづく

希望的観測基地

わかってるだろう。

なぜ山に登るのかって?

そこに山があるからさ。

つづく

ゾンビズ・アー・オールライト

乾杯をしてもいいかな? 乾杯を、しようじゃないか。こんな幸せが、まさか私に降るとは!

つづく

束の間の三十秒

テレビのリモコンが効かない。換えの電池があったはずだ。

つづく