20075.18
ゆうべは帰宅してからずっと、閉めきった窓にくちゃくちゃとやっていたので、眠る前に少し海を思った。海はその波のおかげで、金色の産毛を風に逆立てる。月の限りで。
今夜は帰りが遅かったので、疲れたまま電車に乗り込んだ。雨はもう朝からやんでいて、ざらついたシートが手の平とじゃれあった。
向かいに座った女の人はどっかりとして、くしゃみの出ないライオンのような顔でいる。ガムか何かを噛みながら、余計なことを考えているのかもしれない。余計なことと言えば、その音は、僕の眠ろうとするそばで、昨日の窓を叩いている。
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