20066.13
念のため言っておくと、スライムは山吹色だ。意味なんて知らない。深く考えずに山吹色になったに違いない。気が去る進化の道程で、ボヤボヤしていたのだ。ベッドに落ちたのは正解だった。床に落ちたら面倒だ。人間は床なんて見ずにやってゆける。まばゆい閃光を見つめてゆく。驚くべき光が迎えてくれる。眩惑の彼方に楽園がある。天使のように飛び立つかもしれない。そこで階段は終わっている。あとは飛ぶなり飛び降りるなりすればいい。引き返したければ引き返せばいい。何度も言うが、そこで階段は終わっている。床に落ちたスライムは、そのまま腐るか干涸らびるかして、いずれ跡形もなく消えてしまう。三ヶ月もすれば蒸発するだろう。最悪だ。死ぬまでそれを吸って生きる。目が乾いて仕方がない。コンタクトを外す、その前に、生ゴミを出しに行く。
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