20065.17
もう、魚の鱗が頭から離れない。頭からというか、皮膚から離れない。深夜のアーケードを徘徊して、昼のうちに魚屋がこぼした鱗を、一枚一枚、丁寧に、べろの先で舐め取って、ゆっくりと咀嚼したい。はあ、もう興奮がとめどない。それで、見てみろ! こいつは大した一枚だ! 松葉のように通った溝は全体にムラ無く真珠の光を映し出す。これがあるだけで、ああ、ずっと頭から離れない、もう百日離れない。一生離れない。簡単なことが、何ひとつわからなくなる。脳味噌から離れない。些細なシワをびっしりと覆うには、たった一晩のアレでじゅうぶんだ。じゅうぶんすぎる。すぎるすぎるすぎる。わわわわわわわわわあああああああかかかかかかさささささささたたたたたたたたたななななななななははははははは
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