降り止まぬスコール

 七日後、それは旅立った日と同じくらい金色のきれいな朝に、コックはまた彼の小さな家に帰ってきた。右手に葦のかご、左手にふわふわと揺れる赤い実のひとふさをたずさえ、重い台所のドアを開けるとコックはしばし疲れたように目を閉じた。右手のかごの中には海の模様をした魚が窮屈そうに体をひねっている。水平に差し込んだ朝の光と。

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