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20069.18
その海にもまた、波は打ち寄せるのだった。裸のように横たわる、白い砂浜は白日に、やわらかな陰影を迫り上げる。ああ、眠っているのか知らない。寄せる波の吐息を、繰り返し、風のまにまに漏らすだけだ。ときおり聞こえるのは、死んだ海鳥の歌かもしれない。それは、私の喉を抜けて、濡れた岩肌を乾かしてゆく。
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