20066.26
雨がまた降るかもしれない。東の空が暗い。どこかもっとちゃんとした場所を探さなければいけない。ここは寒い。曇りだと特に。雨はしのげないだろう。もっとまともな、屋根のあるところを見つけなければ。そろそろ連中もやってくるだろう。ここに来て、何日経ったろうか。時間の感覚があまりない。そういえば、私は起きているのだろうか。早くどこかへ、どこかもっと遠くへ、雨のしのげるところへ、行かなければ。私は。ここにこうしてどれくらい経つのだろう。連中が、そろそろ私を見つけるはずだ。私を見つけて、どこかへ回収してしまう。いけない。私は早く行かなければ。雲がかかりはじめた。雨が降り出す前に、どこかへ行かなければ。背中が冷たい。起きなければ。私は寝ているのか。目の前が暗い。私はどうしているんだ。暗い。寒くて仕方がない。背中が濡れて冷たい。体が揺れている。誰かが揺すっている。葉の縁が光って見える。誰もいるはずがない。何も聞こえない。血管のように見える。
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