断線

SE:ピンポーン(来客を告げるチャイムの音)

(インターホンを取るA)

A:「あーい。まって、いまあけるから」

(画面チェンジ。正面玄関から入ってくるB。エレベーターのボタンを押す。やってきたエレベーターに乗る。行き先階ボタンを押そうとして、迷う。携帯電話を取り出して電話をかける)

(画面チェンジ。電話が鳴り、とるA)

A:「もしもし。どしたの」

(画面チェンジ。エレベーターの中のB)

B:「あんさ、何階だっけ。…あ、オッケー」

(ボタンを押すB。何階を押したかは見えない。動き出すエレベーター。Bは独り言を言う)

B:「あ…。竹がのびる…。竹が…」

(画面チェンジ。暖房を消し、窓を開けるA。風がAの前髪を揺らす)

(画面チェンジ。エレベーターの中のB。階数表示は、ちょうど二十階を過ぎるところ)

B:「竹…」

(Bは苦しそうに胸を押さえ、何度か咳き込み、エレベーターの壁にもたれる。エレベーターは、そのまま雲の上まで上がっていく)

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