20065.16
SE:ピンポーン(来客を告げるチャイムの音)
(インターホンを取るA)
A:「あーい。まって、いまあけるから」
(画面チェンジ。正面玄関から入ってくるB。エレベーターのボタンを押す。やってきたエレベーターに乗る。行き先階ボタンを押そうとして、迷う。携帯電話を取り出して電話をかける)
(画面チェンジ。電話が鳴り、とるA)
A:「もしもし。どしたの」
(画面チェンジ。エレベーターの中のB)
B:「あんさ、何階だっけ。…あ、オッケー」
(ボタンを押すB。何階を押したかは見えない。動き出すエレベーター。Bは独り言を言う)
B:「あ…。竹がのびる…。竹が…」
(画面チェンジ。暖房を消し、窓を開けるA。風がAの前髪を揺らす)
(画面チェンジ。エレベーターの中のB。階数表示は、ちょうど二十階を過ぎるところ)
B:「竹…」
(Bは苦しそうに胸を押さえ、何度か咳き込み、エレベーターの壁にもたれる。エレベーターは、そのまま雲の上まで上がっていく)
trackback URL: