20065.8
一匹の子豚が、藪からニョロニョロ這い出してきて、小鳥の歌をひとしきり歌ったわけです。闇夜に悪の百花は繚乱、挙げ句の果てに、工場の明かりは朝まで点いていました。朝になったら昼まで消えません。昼になったら夜も消えません、かと言って、誰かがいるわけでもありません。二匹目の子牛は土中からニョロニョロと首だけ出して、そのままポカポカと日光浴の最中に干涸らびてフレッシュいっぱい即身仏となります。というのもそういうことが本に書いてあったからだ。体と言えば土中に取り残されたピチピチのボディーは、全面ツヤ消しのブラックに塗り固められ、固められたと言えば三匹目の小鳥は自分の歌を好き勝手歌われるのにたいそう御立腹といった様子で、著作権のいろはを調べているところで、甲乙丙までスラスラとそらんじたところで運も尽き、愛想もこそも尽きたところで過ぎたるは及ばざるに似たりと言った調子で運悪く黒塗りの男に引きずり込まれ(体内に)、というのもカナリアは生来の悪戯好きが高じて、大統領の前で毒ガスを敏感に感知したフリをしたから無理もない、ピーチクパーチク雲雀の子鳥、そのままセメントに固められて土中深くに沈められてしまいました。そのとき、シマウマは百八十掛二の瞳で世界を露わにしました。でも大丈夫。さみしくないよ。山珊瑚があるからね。
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