20064.1
どうしたらここまでヌルヌルになるのかわからないが、なってしまったものを責めても仕方がない。
広場に出ると、ラッパの音がうるさく鳴っていた。乞食の姿はもうどこにもなかったが、相変わらず汚い蠅の影がプンプンと視界を飛び交った。これからが正念場だ。
金縛りにあったのは三人。その内の一人は今でも動かない。
酒が足りないからだと言えばそれまでで、主導権が握れないのはしかし君の至らなさだろう。酒とか場とかのせいにするのははっきり言っていただけない。そう思わないか、みんな。
いつか電話ボックスについて話そうと思っていたんだが、こうなってしまった今ではそれも叶わない。そこでこれを残すことにした。後に残される身になって考えると、こんなことをするのはいささか酷かもしれないとは思うが、仕方なかったのだ。最後にわがままを許してくれ。
午前の列車はもうすべて出てしまったので、ホームに人影はほとんど無い。次の列車は日が暮れてからになる。この辺りに越してきて間もない人は、どうも真っ先にそこに驚くらしい。
五月雨が降っているので、明日はキンケイジュの花が咲くだろう。それだけは毎年確かにわかる。祖父の代から続いているらしい。しかしこの勘で得をしたことなど一度もない。
以上、明日の会議に必要な資料を、取り急ぎまとめたものです。尚、ジグモ関連の資料はまた追ってファックス致します。
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